神の手当(むらべさんについて)
本当に凄い人というのは、表に出ずにひっそりとしている。
マスコミなどに騒ぎ立てられることなく、人々の信頼を得て地道に生活をしている。
一時のブームなどに流されることなどなく、自然と調和を愛し、名利心や物欲に惑わされない。
「むらべさんに手を当ててもらうだけでめばちこ(ものもらい)が治ったんです!」
と患者さんからむらべさんの事を教えてもらう。
今から40年前、御影フィールから歩いて5分ほどの所にむらべさんの家があった。
住宅街の一軒家にひっきりなしに人が訪れていたそうである。
24時間関係なく手当を施す。
困っている人がいれば直接行って手当を施す。
「骨折が治った人もいました」
何より、彼が凄いのは一銭も要求しなかったことにある。
タダで手当を施していたのである。
「あんまりにも悪いから、四角の箱をお賽銭代りにして皆さん適当にお金を入れて帰ってましたね」 お布施かお賽銭である。
そんなむらべさんの家に一度、税務署が査察に入ったそうである。
自分の所得をはっきり把握していないむらべさんを思い浮かべると、なんとも面白い話である。
しかし、そんなむらべさんは突然電車の中で急死する。
座ったまま、何度も最終駅まで行ったり来たりして不審に思った乗務員が、声をかけたところ死亡が確認されたそうである。
ずいぶんと若かったらしい。
「気を使い過ぎると早死にするんですかね?」
後日、むらべさんの師匠に当たる人を探し出せるというのでお願いした。
わざわざ電話で伝えていただいた内容を聞いて驚いた。
師匠の名は
「野口 晴哉」。
野口整体の創始者であり、現代の整体という名前を定着させた人物である。
一応、彼の著作は全部読んでいる。
野口整体には骨折やめばちこの治し方などは書かれていない。
野口整体の治し方は手当である、痛みや違和感があるところに集中して手を当てる。
それを愉気法という。
しかし、それで骨折やめばちこが治るとは考えにくい。
たぶん、むらべさんは本物であったのだろう。
野口整体以上のものを獲得していたに違いない。
出来れば会いたかった。
2009.09.07
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